サイトハウンドについてまじめに考えるブログ
2008.02.14.Thu Shahrayar犬舎 その2

Shahrayar犬舎にとって最初の台雌「ビントゥ」はドイツのサルーキーブリーダーではすでに老舗の
mata sala mata犬舎の出身である。
そしてその交配相手の「ウッスーリ」はやはり老舗のMin Ma Sha犬舎の出身。
この2頭の出身犬舎は同じ北バイエルン周辺に位置するにもかかわらず、これまで全く違ったブリード
ラインを保ってきた。
お互いに海外諸国にも目をむけ、国内のみでなく多国のブリーダーとの交流を続けてきたのである。

これらの血の健全性と犬の持つ能力・美しさに長年魅了されてきたShahrayar犬舎オーナーの
ライヒェルト氏は自ら4人の子供を持つ父親であるため子育てが一段落した8年前よりようやくこれまでの
想いを実現化しはじめたが、その際には繁殖犬出身犬舎双方の指導と協力を充分受けていることは
いうまでもない。

両犬舎の意向も受けてライヒェルト氏はブリーダーとしてサルーキーの持つ能力についてこう語る。

                        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<能力について>
ブリーディングの段階で犬の血統に充分配慮がなされ、両親犬と祖父母犬の能力成績が充分考慮され、
さらには個体を自身の目で見て判断出来るならば、レース向きの犬はショー向きの犬または家庭犬としても
優秀な個体と同じくらいブリードが可能である。


<容姿の美しさ>
このサルーキーという犬種において私達の目に美しいとされる特徴として足長の骨格、エレガントなヘッド
ライン、コートカラーとその質、耳・尾・四肢の後部に見られる飾り毛が挙げられる。
犬種のスタンダードはFCIのブリーディングブックに規定され、それに従わなければならないが、
そこで明らかなのはその理解の仕方、つまりブリーダー毎にどのポイントを重視するかである。

個体の持つ高い能力と容姿の美しさの両方を同じバランスでブリーディングの目的とすることは必ずしも
容易なことではない。
ブリーダーとして犬種の一部の特徴のみをセレクトし重点的にブリードすることは「狩猟能力の高い
サルーキー」と「ショードッグとしてのサルーキー」を二分化する危険性を高める。
つまり一部の特徴のみを重視してセレクトすることで常にサルーキーの外見は変化してしまうことになる。
これらの理由によりドイツ・サイトハウンド・ブリード・アンド・レース協会のとあるサルーキーブリーダーは
こう警鐘を鳴らしている。

『最近見られるショー・サルーキーの大袈裟な後肢のアンギュレーションとともに、広すぎる胸幅、
強すぎる前胸部とそして伸び行く首の長さはジャッジへのアプローチとしてとても印象的だが、これらの
姿は原産国のサルーキーからは全く著しくかけ離れた容姿である。
もしもこういった傾向の増大によりサルーキー個体の秘める能力に対する可能性が抑えられても決して
不思議ではない。』
(ドイツ・サイトハウンド・ブリード・アンド・レース協会刊「ブリード年鑑第38号」より引用)

もしもサルーキーが容姿の美しさだけを選択基準としブリードされてゆくならば、その遺伝子は
容姿のみならず知的能力と狩猟能力へも影響を与える。

サルーキーにとっての「能力」とは彼らの持つ身体的な能力を最大限に発揮できるための「賢く前方を
見据える目」と「俊足」を意味する。
サルーキーとはそもそも狩猟犬であり、彼らの存在価値は生きてゆくに不可欠な素晴らしい狩猟本能に
より作り上げられていることを私達は決して忘れてはいけない。

サルーキーはフィールドを静かに集中して見渡し、素早くそして自分で決断し、自ら選び出した獲物を
その俊足を駆使して追いかけ、捕らえることが出来る。

こういったこの犬種が備える狩猟能力は現在ドッグレースやコーシングなどでダミーを追いかけさせる
ことにより少なくとも狩猟本能の一部を満足させることが出来るのである。

もしも飼っているサルーキーを無限のフィールドで走らせるとき、もちろん呼び戻しトレーニングや気を
そらせるテクニックなどを使ってその狩猟本能が発揮する場を回避することが出来るが、しかしそれは
常に100%信用できるものではない。
飼い主の監視の元でサルーキーにフリーランを与える場合、飼い主自身が周辺に気を配りサルーキーの
興味の対象となる狩猟シーンが展開する以前にタイミングよくリードにつけるか、または狩猟行動が
終わりいつかまた自発的に飼い主の元へ戻ってくることを祈るしかない。

果たしてサルーキーがよく知り尽くした環境の中で自発的に戻ってくるか否かはいまだ疑問視されている
部分が多いが、少なからずどこに車を停めたかや先程休憩をした場所、そして自分の家のある方向に
向かって戻ることは出来る。

この犬種にとってフリーランはとてつもなく大きな喜びであり、それは見る側にとっても同じである。
しかしフリーランにより時折狩猟が成功するリスクも忘れてはならない。

(つづく)

               Shahrayar Bengala
                          Shahrayar Bengala






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