サイトハウンドについてまじめに考えるブログ
2008.02.20.Wed Shahrayar犬舎 その4

今回はShahrayar犬舎による「犬への先入観とサルーキーの実態」について。

■ 先入観 その1「幸せな犬は太めでなければいけない?」
サルーキーをはじめサイトハウンドの姿はその体型からとても目に留まる、都市部においてはナニをさておいても非常に見慣れないものである、と約半数の人間がそう感じるらしい。
つまり道端で二人の人間とすれ違えばそのうち一人はサルーキーの持つ見慣れないその姿に話しかけてくるというものである。
この犬種のスタンダードでは「肋骨3本が見え、6本は手で触って分かること」とある。

■ 先入観 その2「犬は服従的でなければいけない?」
サイトハウンドを躾ける事は可能である。
その際躾ける側に他犬種の場合よりももっと忍耐と犬のモチベーションを揚げることが要求されると同時に犬に対しての期待を大幅に下げなければならない。
サルーキーはけっして情熱的な「レトリーバー」でもなく、むしろほとんどの事項においてシェパードなどと全く逆の性質を持つと言っていい。
一般的な犬の学校などに通う場合、一定の「反抗期」と呼ばれる時期まではとてもよく楽しめるが、その後しばらくの間は一時的に休憩することを私達は薦めたい。
1歳半から2歳頃になればまたトレーニングに対してのやる気が戻り、コマンドも良く覚える時期がやってくる。
同伴犬試験に挑戦するもよし、アジリティやその他のドッグスポーツ(フリスビーなど)はとてもよい気晴らしになるだろうが、確実にいえるのはこの犬種はオビディエンストレーニング(服従訓練)のために生まれているのではないということである。

■ 先入観 その3「サイトハウンドは他犬種より多めの運動量が必要?」
Yes: サイトハウンドは走ることが好きな犬種である。
No: サイトハウンドに限らず他の犬種でも同様に日に3時間散歩をすることを望んでいるはずである。
朝・昼・晩それぞれ1時間、通勤途中と就寝前にさらに近所を一回り、週末には野・山・湖をかけまわり、気が向いたときには自宅の庭でが理想的。

■ 先入観 その4「サイトハウンドにとって自転車引き運動はつまらない?」
3時間自転車に沿って一定スピードで走り続けることはサイトハウンドにとっておそらくしんどい割にはとてもつまらないものであろう。
というのもそもそもこれらの犬種は静状態からの全力疾走、そしてまた立ち止まり周辺を見回すことを好むからだ。
これは「Sit and Shoot」と呼ばれるスプリント・スタイルである。
愛犬とサイクリングを楽しみたいと考える時には自転車の後部に愛犬用のワゴンを取りつけ、ツアーの途中で走る気のなくなった愛犬をはいつかまた自発的に走りたくなるまでワゴンの中で休ませるなどのトレーニングをお薦めしたい。

■ 先入観 その5「柵のないフィールドでのノーリード運動は不可能?」
サイトハウンドは動くすべてのものに興味を持つ犬種であり、通りすがりの自転車やジョギング中の人、走り去ってゆく子供、飛んでくるボール、猫、馬、ウサギ、リス、落ちてくる葉っぱ、買い物袋にスカート、鶏そのほかの小動物、長いロープにズボン...とこれらが傾向的に獲物とされるものである。
ただしトレーニングがなされていない場合の話。
もしも愛犬に呼び戻しトレーニングがなされており、愛犬の興味をそらす術を知っているならば柵のないフィールドでのノーリード運動は可能である。(
トレーニングにはロングリードや乾燥レバー、口笛などが駆使されるが強い忍耐力も欠かさず持つことにより呼び戻しは可能になるが、道路に近い場所でのフリーランはいかなる場合にも避けるべきである。

  ※ 例え呼び戻しトレーニングがなされていてもサイトハウンドは訓練系の犬とは違い、常に100%信用
   できるものではないと言うことを必ず念頭において欲しい。
 

(つづく)

       Shahrayar Chadifa
                            Shahrayar Chadifa





2008.02.17.Sun Shahrayar犬舎 その3

今回もドイツのShahrayar犬舎の持つサルーキーへの思いを綴った続きである。
健康とはただ体が病気に犯されていない状態のみを指すわけではなく、この犬舎では精神面での健康を
重視されるべきであること、さらには愛犬の心身の健康を保つ際に重要な飼い主との関係を築くための
大事なアドバイスが書かれている。

この犬舎の持つ<ブリードの目的><能力><容姿の美しさ>に対する考えは過去のエントリーを
参考にされたし。

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<健康について>
サルーキーは何百年、何千年にもわたり多犬種に見られるような股関節形成不全(例:ジャーマンシェパード)や聴覚機能不全(例:ダルメシアン)、進行性網膜萎縮症(例:レトリーバー)などの遺伝疾患が発生しないよう細心の注意を払ってブリードされてきた。

サルーキーはそもそも健康な犬種である。

しかし他犬種同様に注意しなければならないことは「生活のリズムに慣れさせること」、これは飼い主に
とっても同じことが言える。
胃捻転を防ぐため食餌の後には飛んだり跳ねたりさせないことをはじめ、当然のことながら健康な生活
には欠かせない予防接種に関しても私達の仔犬は血統書・ブリード年鑑を手渡すと同時に今後の予防
接種を続けてゆくことを譲渡先に薦め、駆虫に関しても仔犬の段階で済ませ、健康な仔犬を新しい
家庭に受け入れてもらうようにしている。
仔犬を受け入れた後は緊急時に備え近所の動物病院を知っておき、また手術とホメオパシー療法に
ついて詳しい専門医を何件か知っておくといいだろう。

サルーキーの精神面における健康性を保つためにこの犬種は檻の中で飼うことには向いていないと
いう事実を頭において欲しい。
サルーキーは砂漠の犬であり、世界の広大さと自由とは何を意味するかその血の中に知っている。
もしもサルーキーを狭い空間に閉じ込めて飼ったり、もしくは庭やフィールドでの毎日の自由運動を
不可能にするならばあなたはサルーキーの小さな魂を殺すことになる。

サイトハウンドと人間との信頼関係についてはサイトハウンドファンを除いて一般的に軽視されて
いるが、サルーキーを含むサイトハウンドは自身の身の安全を寄せることが出来る、本当に信頼できる
人間をほんの1−2人だけ選び出すことを私達は経験的に知っている。
それ以上の数の人間は彼らにとって友好的な存在として認識されはするが、群れとして仲間としての
属性を分け合うことはない。
このことよりサルーキーの留守番トレーニングとは細心の注意を払っての躾と言うことになる。
アドバイスとしては留守番トレーニングは早くとも生後6ヶ月以降始めることを薦める。
つまり慣れた環境の中で数分から15分程度までを最初の段階とし、生後一年を過ぎるまで8時間以上の
留守番をさせることはいかなる場合にも薦められない。
これらに無理をすると犬は取り残されることに不安を感じ、その表現として周辺環境を汚したり他の問題
行動を取ることが容易に予想されるからだ。

残念ながら人間の場合は犬との生活変化に対して順応が早く、しかしサルーキーの場合生活環境への
順応は1年近くかかることも少なくない。
サルーキーとの生活を考えている方は犬を問題視する以前にどうか必ず自身の生活リズムと環境をもう
一度見直して欲しい。
もしもサルーキーが周辺環境に慣れ、留守番と言う行為がほんの一時短い時間だけ群れが家を不在にする
ことや「車」と言う犬小屋を番することと理解したならばこれらの障害はすべて解決されるが、その際どれ
だけトレーニングが工夫され愛犬の心理が汲み取られているかにもよるだろう。

さてサルーキーの胃袋は基本的に過敏でもひ弱でもなく、ぴかぴかの健康体の一例として挙げられる。
仔犬時代の食餌法としては仔犬に関する本などを参考にすることにより自身で勝手に考え出すよりも多くの
安全性と安定性を得ることが出来る。
成犬になってからは世の中にあるありとあらゆる食餌法の中から自身の愛犬に対する愛情を元に選び
出せば多くの正しい食餌法を見つけることが出来るだろう。

そしてあなたの愛犬があふれるほどの喜びと充分な運動それに加えあなたへの注目と家族としての認識を
持ち合わせることが出来ているならば、あなた自身サルーキー・フレンドとして誇りが持てる存在である。

(つづく)

         Chadifa und Chaila
                       Shahrayar ChadifaとChaila





2008.02.14.Thu Shahrayar犬舎 その2

Shahrayar犬舎にとって最初の台雌「ビントゥ」はドイツのサルーキーブリーダーではすでに老舗の
mata sala mata犬舎の出身である。
そしてその交配相手の「ウッスーリ」はやはり老舗のMin Ma Sha犬舎の出身。
この2頭の出身犬舎は同じ北バイエルン周辺に位置するにもかかわらず、これまで全く違ったブリード
ラインを保ってきた。
お互いに海外諸国にも目をむけ、国内のみでなく多国のブリーダーとの交流を続けてきたのである。

これらの血の健全性と犬の持つ能力・美しさに長年魅了されてきたShahrayar犬舎オーナーの
ライヒェルト氏は自ら4人の子供を持つ父親であるため子育てが一段落した8年前よりようやくこれまでの
想いを実現化しはじめたが、その際には繁殖犬出身犬舎双方の指導と協力を充分受けていることは
いうまでもない。

両犬舎の意向も受けてライヒェルト氏はブリーダーとしてサルーキーの持つ能力についてこう語る。

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<能力について>
ブリーディングの段階で犬の血統に充分配慮がなされ、両親犬と祖父母犬の能力成績が充分考慮され、
さらには個体を自身の目で見て判断出来るならば、レース向きの犬はショー向きの犬または家庭犬としても
優秀な個体と同じくらいブリードが可能である。


<容姿の美しさ>
このサルーキーという犬種において私達の目に美しいとされる特徴として足長の骨格、エレガントなヘッド
ライン、コートカラーとその質、耳・尾・四肢の後部に見られる飾り毛が挙げられる。
犬種のスタンダードはFCIのブリーディングブックに規定され、それに従わなければならないが、
そこで明らかなのはその理解の仕方、つまりブリーダー毎にどのポイントを重視するかである。

個体の持つ高い能力と容姿の美しさの両方を同じバランスでブリーディングの目的とすることは必ずしも
容易なことではない。
ブリーダーとして犬種の一部の特徴のみをセレクトし重点的にブリードすることは「狩猟能力の高い
サルーキー」と「ショードッグとしてのサルーキー」を二分化する危険性を高める。
つまり一部の特徴のみを重視してセレクトすることで常にサルーキーの外見は変化してしまうことになる。
これらの理由によりドイツ・サイトハウンド・ブリード・アンド・レース協会のとあるサルーキーブリーダーは
こう警鐘を鳴らしている。

『最近見られるショー・サルーキーの大袈裟な後肢のアンギュレーションとともに、広すぎる胸幅、
強すぎる前胸部とそして伸び行く首の長さはジャッジへのアプローチとしてとても印象的だが、これらの
姿は原産国のサルーキーからは全く著しくかけ離れた容姿である。
もしもこういった傾向の増大によりサルーキー個体の秘める能力に対する可能性が抑えられても決して
不思議ではない。』
(ドイツ・サイトハウンド・ブリード・アンド・レース協会刊「ブリード年鑑第38号」より引用)

もしもサルーキーが容姿の美しさだけを選択基準としブリードされてゆくならば、その遺伝子は
容姿のみならず知的能力と狩猟能力へも影響を与える。

サルーキーにとっての「能力」とは彼らの持つ身体的な能力を最大限に発揮できるための「賢く前方を
見据える目」と「俊足」を意味する。
サルーキーとはそもそも狩猟犬であり、彼らの存在価値は生きてゆくに不可欠な素晴らしい狩猟本能に
より作り上げられていることを私達は決して忘れてはいけない。

サルーキーはフィールドを静かに集中して見渡し、素早くそして自分で決断し、自ら選び出した獲物を
その俊足を駆使して追いかけ、捕らえることが出来る。

こういったこの犬種が備える狩猟能力は現在ドッグレースやコーシングなどでダミーを追いかけさせる
ことにより少なくとも狩猟本能の一部を満足させることが出来るのである。

もしも飼っているサルーキーを無限のフィールドで走らせるとき、もちろん呼び戻しトレーニングや気を
そらせるテクニックなどを使ってその狩猟本能が発揮する場を回避することが出来るが、しかしそれは
常に100%信用できるものではない。
飼い主の監視の元でサルーキーにフリーランを与える場合、飼い主自身が周辺に気を配りサルーキーの
興味の対象となる狩猟シーンが展開する以前にタイミングよくリードにつけるか、または狩猟行動が
終わりいつかまた自発的に飼い主の元へ戻ってくることを祈るしかない。

果たしてサルーキーがよく知り尽くした環境の中で自発的に戻ってくるか否かはいまだ疑問視されている
部分が多いが、少なからずどこに車を停めたかや先程休憩をした場所、そして自分の家のある方向に
向かって戻ることは出来る。

この犬種にとってフリーランはとてつもなく大きな喜びであり、それは見る側にとっても同じである。
しかしフリーランにより時折狩猟が成功するリスクも忘れてはならない。

(つづく)

               Shahrayar Bengala
                          Shahrayar Bengala





2008.02.11.Mon Shahrayar犬舎 その1

2007年11月末にボダイの妹ベンガラ(血統書名 Shahrayar Bengala)が初めての出産をした。
D-Litter、つまり犬舎にとって4回目の出産である。

  ※ ドイツのブリーダーはおもに出産回数をアルファベットで数え、生まれた個体はその回数に当たる
    アルファベットを頭文字に名づけられる。
    例:Bo'dai → B=2回目の出産


それを期にShahrayar犬舎はかねてより準備を進めていた犬舎を紹介するホームページを公開し、
そこに犬舎の持つサルーキーへの思い、ブリードのモットーなどを掲載しているのだが、これらはとても
共感する部分が多いだけでなくサルーキーという犬種の繁殖において忘れてはならない大事な思想が
ふくまれているのでここに紹介することにした。

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<ブリードの目指すもの>
私達が目指すもの、それは「ゆるぎない健康」「高い能力」「容姿の美しさ」という3つの響き。
そしてこららは常にこの順位で重視される。

サルーキーはその犬種の特徴として慎重さを持ち合わせながらも人に対して友好的かつ静かな存在で
あるべきで、極端に引っ込み思案だったり怯えがひどいなど神経質で不安定に作用する性格はいかに
その容姿が美しくても私達は繁殖には用いたくない。
私達のサルーキーは人間家族と同じ生活環境で育つことにより日常生活にあるPC・電話・掃除機などの
家電による騒音に慣れ、子供達やその友達と一緒に遊ぶことで社会性を養い、また子供ながらの愛情の
ある雑な遊びの種類をも覚えて育つ。
もちろん周辺環境が性格のすべてを決めるわけではないので遺伝的な要因を選択することが同じくらい
重要となるのである。

私達はできるだけ遠縁のブリードラインを選び新鮮な血を血統に受け入れることに注意を払う。

『犬種の持つ遺伝的バリエーションを保つため、あらゆるタイプの近親交配を避けるだけでなく、
チャンピオン犬同士やいわゆるエリート犬同士でのみのブリードをも避けるべきだと遺伝学者は主張する。
チャンピオン犬同士のみのブリードは遺伝子の多彩性を制限し、例えば限定されたコートカラーのみを
選択的にブリードすることと同じである。
  − 中略 −
これは繁殖に用いる雌犬に限ったことではなく、むしろ多用することにより遺伝子の均一化を加速化
させる雄犬に「スーパードッグ」を用いないことでも避けられることである。』
(ドイツ・サイトハウンド・ブリード・アンド・レース協会会報誌「ウンザレ・ヴィンドフンデ」07年2月号より引用)

この基本に則って私達のサルーキーはブリードされる。
だから私達の最初の台雌「ビントゥ」は3回のみの出産に終わり、この先二度と繁殖に用いることはない。

  ※ Kyoko注: 動物愛護の視点より協会規定による繁殖制限は「雌の繁殖への導引は4回を超えては
    ならず、また最後の出産で満8歳を超えてはならない」とされている。さらには出産間隔についても
    規定あり。


私達は交配相手として候補に上がりそうな雄犬と全国のドッグショー会場巡りにより知り合うだけではなく、
その犬の持つ近縁度も可能な限り低いことを知るため、他の、サルーキーについて同じような意見を持つ
ブリーダーたちとも友情を通して協力し合っている。

(つづく)

           Bengala auf der Ausstellung
                   ベンガラと犬舎オーナーのライヒェルト氏






2007.04.05.Thu mata salamata's Saluki

mata salamata'sは74年よりサルーキーのブリード(と一部アフガンハウンドのブリード)を手がけてきた犬舎である。
犬舎オーナー、ウテ・レンナーツ女史とヤコブ・プリビル氏のサルーキーへのこだわりの姿勢はこの犬舎が生み出してきた数多くのチャンピオンに見られる。
この犬舎出身のサルーキーからは州・国内チャンピオンのみにとどまらず、インターナショナルそしてヨーロッパ、80年代から90年代にかけては数頭の世界チャンピオンが生み出されている。
さらにはオーナー自身FCIのスタンダード作成を手がけ、2003年にドルトムントで行われたワールド・ドッグ・ショーにおいてレンナーツ女史はサルーキーのジャッジを務めたと言うのも当然のことかもしれない。

その歴史の一方でこの犬舎はmata salamata's系と呼ばれる系統をつくりあげ、特にmata salamata's Aga Khan(90年世界CH)と Bell S'MBran J.R. Juvenoir(マルチチャンピオン)の仔mata salamata's Jadaan Khanは父親同様に94年の世界CHのタイトルを獲得した後、国内4回国外3回計7回の交配で40頭の仔を残し血統を広げている。
我が家の愛犬ボダイの4代前と5代前にはこのAga KhanとJuvenoirの名があり、mata salamata's系の血を見た目に濃く受け継ぐボダイは森やドッグショーなどで見知らぬサルーキーオーナーから「mata salamata'sの?」と聞かれるほど典型的なmata salamata's系の顔・体つきをしている。
たしかに片手間で繁殖されたサルーキーたちに比べると体格の均整が取れ、穏やかながらも自信に溢れたバランスの良い顔つきをしているのがmata sala mata'sの特徴であると感じる。

          Shahrayar Bodai

mata salamata's自体はホームページを持たないが、ドイツ国内外にこの犬舎の血は多く交流しているためネットを通してボダイの親戚従弟達の姿がいろんな国で見られるのはとても興味深い。
犬の繁殖・血統管理がシステムとして確立されているからこそ、それは可能なのである。

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AKC, KC、FCIのサルーキー・スタンダードを比較考察したサイトハウンド協会会報誌の記事でレンナーツ女史はスタンダードを手がける立場としてAKCの「色のバリエーション」の許容の狭さを指摘し、またどのスタンダードも「鼻の色」が黒またはレバー色であるべきでいわゆるバタフライ・ノーズ(鼻の真ん中がレバー色、両脇が黒の二色に分かれている鼻)はスタンダード外であるという。

彼女の主張とは「サルーキーのスタンダードはその犬種の歴史を重視するべきで、スタンダードを元にブリードされるのではなく、サルーキーの本来の姿に基づいてスタンダードが作られるべきである」というものであり、私自身全くの同感である。
サルーキーやスルーギー、アザワクのように歴史の古い犬種にとって1900年代に入って原産国より輸入されたたった数頭のサンプルを見て作られたスタンダードはあまりにも視野が狭く、本来原産国に存在する犬種のバリエーションをカバーしきれていないのが多くの場合であり、その犬種の歴史に敬意と配慮をもたらさなければ全く持って本末転倒である。
こういった経緯からAKCの古びたスタンダードは見直されるべきと女史は言う。

またヨーロッパのドッグショー界ではオーナーハンドラーが当たり前のため、ジャッジはハンドリングのテクニックよりも犬を見る。
そしてジャッジ自体も多くの場合ブリーダーなのが普通である。
自分でサルーキーを手がけ、サルーキーを知り尽くした者たちだけが作る独特の世界であるともいえるだろう。

レンナーツ女史がこの度サルーキークラブ展のジャッジを通して日本のサルーキーと対面し、どのような印象を受けたかいずれ機会があれば尋ねてみたい。




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